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ミキクロウ

Author:ミキクロウ
知識のないまま、気分、駄文垂れ流し。多分でなく、自分満足と判っております。
ジャンルも文体も不安定な感じです。
読み易い、を何とか目指します。
リンク・アンリンクフリーです。

qoo-low@hotmail*co.jp
ご指摘、感想など御座いましたらお気軽にどうぞ。

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ルール(しずなお
生意気な奈緒チャンにきゅんする



てくてく、と。
汚れがかったスニーカーを、履いて。
横断歩道を渡る。

人込みをすり抜けるのは嫌いじゃない。
話し声と、漏れた音楽、信号の音。
それから小さな振動と共に、着信音。

「……うん、ああ…うんうん……うん、はーい。」
応答はやけに間延びさせて。
彼女は少し遅れるそうで、ちらり、時間を確認して、小さく溜め息。

別に楽しみなんかじゃない。
未だ知らない感情を持ってるあたし達は、期待しないのがルール。

しがらみを沢山持ってる。
例えれば、其れは、あの人の感情だったり。
例えれば、其れは、作り出して来た道だったり。
例えれば、其れは、未来への扉だったり。
終わらない、メリーゴーランドの様な思考。

「堪忍、待たせてもうて、」
息も絶え絶えに藤乃が現れた。
薄手の恰好が、陽気を震わす。
「走って来なくても良かったのに。」
肩で息をするのに合わせて、彼女のふわふわの髪が揺れる。

上昇した体温に湿度が絡まって、額に幾筋かの髪の束が張り付いている。
うざったそうに其れを避けて、手で顔を扇ぐ。
「今日は、蒸しますなぁ。」
「そーね。」
「―奈緒、帽子暑くないん?」
目深に被ったキャスケットを、下から覗き込まれる。

「日除け、人避け。」
慌てて後ろに避けて、深く、被り直す。
下からの視線は、少し照れる。
「せやかて蒸しますやろ?」
「そーでもないわよ。」
「そぉなん?」
「そーなん。」

点滅した青信号に、足を速める。
後ろに伸ばした手が藤乃を捕まえる。
なんて事ない普通の風景。
けれど、藤乃の風貌からか、何人かが目で追うのが判る。

胸の中で、小さく、小さく。
ぢりっと、音がする。
あたしの小さな黒い炎。

「好き。」
渡り切り、隣に並んだ藤乃に耳打つ。
子どもじみた独占欲から生まれた其れでも、彼女の頬を染める事が出来る。
「何やの、急に。」
「べっつにー。」
「なぁ。」
そっぽを向いたあたしの服の裾が引っ張られる。
「もっかいゆうて?」
振り向いて、不意打ちに甘えた顔。

ドクっと黒い炎が揺れるのが判った。
天邪鬼なあたしは、それを隠したい。

「好き。」
真顔で返してやる。
「好き。」
もう一回。

「ウチも。」
ゆっくりと綻ぶように、藤乃は微笑み返してくれた。

好き、と何回云えば、言わなくても伝わるんだろう。
「うん、-知ってる。」
「ウチも奈緒が好きや。」
水っぽい唇が、軽快に告げる。
好き、と何回聞けば、心に染みるんだろう。
「うん、ありがと。」

家までの道をダラダラと歩く。
少し急なスロープ。
何時ものコンビニ。
おんなじジュウス。

「ほんまに、好きよ?」
顔を覗き込む様にして、彼女が云う。
「判ってる。」
脱ぎ捨てた帽子を思って、玄関の方を見る。
「奈緒は?」

真っ直ぐな視線に負けて、渋々と目線を合わせる。
下らない、確認。
意味のない、探り合い。
―そろそろ疲れて来た頃合。

絡まった視線、ぼやけて。
キスを一回。濃厚なヤツ。

「好きだよ、すごく。」
もうさ、ルールとか下んないんだよね。
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SS(まいひめ) | 05:14:49 | Trackback(0) | Comments(0)
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