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ミキクロウ

Author:ミキクロウ
知識のないまま、気分、駄文垂れ流し。多分でなく、自分満足と判っております。
ジャンルも文体も不安定な感じです。
読み易い、を何とか目指します。
リンク・アンリンクフリーです。

qoo-low@hotmail*co.jp
ご指摘、感想など御座いましたらお気軽にどうぞ。

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夕暮れ
しずなつとか、なつしずとか、順序はあんまり考えてないです。



白みがかった視界に、夕暮れの濃いコントラスト。
橙と黒が、部屋中に広がっている。

何時の間に眠ったのだろう。
リビングのソファに深く上半身を沈め、腕は組んだまま。
重い瞼を無理やりに上げると、時間を探す。

16時を少し回ったところ。
窓から伸びた陽の光が、時計の文字盤を反射させて見づらい。
静かな部屋で、カチ、コチと、規則正しい。

「ずいぶん、寝てしまった、な。」
声を出してみて、喉が渇いている事に気づいた。
立ち上がって、冷蔵庫までさした距離ではない。
しかし、今はそれも面倒だった。
制服が皺になっているだろうと思うが、腕を解く気にもなれない。

夜に向かって行く、今のこの空間が、気だるさを呼んでいる。
瞼を閉じると、開く気力はすっかりない。

カチ、コチと云う音に、色々な思考を混ぜてみるけれど
それら全てがまとまりなく、途絶えて行く。

まどろみは夢に変わったのか。
時計の音が、不規則になった気がする。
ガチャ、とかパタパタといった音に混じっている。

肩にゆっくりと力がかかった。
「…なつき、」
静留の手だ。細い指が、優しく食い込む。
「ん…。」
起きているよ。
と、返しているつもり。
「なつき。あきまへんえ、こないなトコで眠っとったら。」
「んー…、」
もう少しだけ。

もう少しだけ。
―いや、駄目だ。

「…ぅ…。」
眠りから強引に意識を引っぺがし、目を開ける。
静留の顔をぽんやりと見つめる。

「―起きはった?」
見つめあい、十分に間を取ると、静留が微笑んだ。
随分と陽が傾いた様で、部屋はすっかり暗がりになっている。
「…起きた。」
「もぉ。メールも返って来ぃひんし、どないしてんのか思ったやないの。」
ボサボサになった髪を撫でると、静留は苦笑。
「気づいたら眠ってた。」
もぅ、と更に苦笑し、今度は頬を撫でる。
気持ち良さに、眠気が帰って来る。

―いや、駄目だ。

眠りたい気持ちと、起きなくては、と言う自分がせめぎ合い。
「なつき?」
顔をしかめている自分に、静留が問う。
何でもないと首を振る。

彼女はそれ以上は聞かず、溜息のように笑い。
ご飯にしましょ、なぁ?と子どもに言い聞かせる様に、立ち上がった。
パチ、と明かりを点けられると、眩しさに目が眩んだ。

今晩は豚の生姜焼き。
三日ぶりくらいになる、マヨネーズが合う料理。
自分の体と、好みを気遣ってくれる食事には、何時も感謝と、少々の照れ。

静留が食器を洗っている間に、浴槽を洗う。
手伝っても、結局大して役に立たないから、と思いついた習慣だった。
「しずるー。今日はどうするんだー?」
最近、二人して入浴剤に凝っている。
パタパタとスリッパを鳴らしながら、タオル片手に静留が現れる。
「柑橘系のとか、どうどす?」
わざわざ来なくても良いのに、と思うと、自然、気持ちが優しくなる。
「一昨日開けたヤツのか?」
学校帰りに舞衣達とたまたま寄ったドラッグストアで、何の気なしに買ったヤツ。
何種類か入っていて、内容はよく覚えていない。
濡れた腕を戸棚に伸ばしたら、静留に目で咎められた。

さああと、シャワーが流れる。
泡が流れ、ふんわりと茶髪がのぞき始めた。
水に濡れた彼女の髪は、普段より真っ直ぐになる。
浴槽に両腕をつき、それを眺める。

「なつきは、子どもみたいにぎゅうっと目ぇ瞑るんやね。」

何時だか言われた台詞だった。
静留は、ごく自然に目を瞑っている。
キレイな横顔。

飽きるほど一緒に居て。
口癖が移ったり、手がぶつかったり、繋いだり。
近づいて行く価値観の中で。
自分たちの違いを見つけるのは、楽しみの一つだ。

少なめに張った浴槽に、二人で入る。
「なぁ、」
「ん?」
抱きしめた背中越しに、静留の顔を覗き込む。
擦れる素肌が、気持ち良い。
呼んだくせに、静留は正面を向いたまま、開いた口を閉じてしまった。

染まった頬に、潤んだ唇。
このまま見つめてしまっては、湧き上がる欲求にあがらえそうにない。
しかし、静留が何か言い澱んでいるのが気になる。
「何だ?」
「ん、」
黒い睫毛に乗る、小さな水滴たち。
「あの、な、」
続きを促す様に、腰に回した腕を引き寄せる。
「何だ?」
ぎゅうっと、腕に力を入れる。
「急かさんと、もぉ。―ふふ。先刻、な、」
「さっき?」
「先刻、寝ちゃっとったやろ、なつき。」
「ああ。」
やわやわと腕を触られ、力を緩める。
「腕組んで、眉間に皺も寄っとって、」
小さく、噛み殺すように口角を上げる。細められた目は楽しそうだ。
「なんだ?」
一人楽しそうにする静留に詰まらなくて、口を尖らせる。
「なんや、昔のなつきみたいやなぁっ、て。」
あぁ、と小さく応える。
「懐かしいなぁ、って。思ったんよ。」

そうか。
と、一人合点した。

しばらく続いた無言に、ちゃぷ、と音を立てて静留が振り向いた。
どないしたん、と首を傾げる。
「さっき、な。」
整理しながら、話そうとすると、とても下らない事の様に思える。
「ん?」
静留が、ゆったりと、再度、首を傾げる。
急かすわけでもないその仕草が、何時もなつきの口を開かせる。
だから、隠し事が出来ないんだ、等と、頭の隅で理解してみたり。

「うん。さっき、な。とても眠かったんだが。」
「眠そやったなぁ。」
「でもな。何だか、眠っちゃ不可ない気がした、んだ。」
「ご飯の時間ですもんな。」
「あ、いや。そうじゃなくてだな。」
なつきはばしゃっと片手で突っ込みを入れる。
判っとります、と優艶に静留は微笑んだ。

「その、なん、だ。昔に戻りそうな気が、して、だな。」
「何を聞いても、関係ない。で返されてまう頃やな。」
あん時は寂しかったわぁ、と静留は大げさに頬に手をやる。
なつきが睨むと、やり過ぎたと気づいた様で、堪忍、と悪戯っぽく笑った。
「戻るわけない、って判ってるんだが、な、」
なつきはその、なんだ、と視線を泳がせ思案する。
う~ん、と何度も唸り、言葉を探す。
静留は気のない素振りで、なつきの鎖骨に指を這わせ始めた。

「―何だか、嫌だったんだ。」
指の感触に肩を震わせながら、辿り着いた言葉を吐き出す。
「ん。」
相変わらず指を這わせながら、しかし静留は即答する。
「その…今が、すごく、」
続けて出るはずの言葉を、耳に集まって来た熱に邪魔されてしまう。
正直に紡げない口を恨めしく思う。

「幸せやなぁ。」
「あぁ?」
ぽろり、と呟いた静留に、声が裏返ってしまう。

「なつきと、こやってお風呂入れて、」
指が鎖骨から胸へ向かっている。
右手だけだった触れ合いに、気付けば左手も伸びている。
「なぁ。なつきは?」
両胸を優しく手が包んでいる。
今にも舌を伸ばしそうな角度で、上目遣い。

真っ赤に染まっているであろう自分の顔。
ゴクッと飲み込んだ、唾の音が頭に響く。
「わ、わたしも。だっ。」
勢い込んだ声が浴室に反響する。
ふ、と笑った静留がそれを飲み込んだ。


そうやって何時も、私には越えられない線を越えてゆく。
ご丁寧に、手を伸ばして。
何度でも、手を伸ばして。
焦れったいだろうけれど、もう少し待ってくれ。
―次は。
次こそは、ちゃんと自分でいうから。

幸せ、だ、と。
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SS(なつしず) | 05:13:30 | Trackback(0) | Comments(0)
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